#543 2018年1月29日(月)
『魂のクロニクル』に刻んだ最初の一歩
ビーツがメジャーデビューした1988年は昭和63年。昭和最後の年だ。
その年の2月に東京でアナログ盤『BEATNIK ROCKER』をレコーディングし、
同じ月に新宿LOFTで初めて東京でのビーツワンマンライブをやった。
既にその時点で1988年秋にビクターからデビューする話は決まっていて、
あとは正式契約を交わして春に東京に引っ越すだけという段階だったのだが、
その契約直前で当時のリズム隊市川と昌司がご両親の強い反対に遭ってしまい
急転直下で脱退することになった。当時の彼らはまだ二十歳前の大学生。
ご両親にしてみれば将来の保証も何もない東京でのプロミュージシャン生活
というものに大きな不安を抱かれて反対されたのは無理もないことだった。
結果、俺とSEIZIは二人で1988年5月に上京。東京でのビーツ人生が始まった。
俺は「約束できない」で歌った22歳。SEIZIは二十歳の誕生日の直前だった。
その1988年の9月、デビューアルバム『NAKED HEART』のレコーディングの
最終作業をしていた頃、銀座の音響ハウスというスタジオからの帰りの
タクシーのラジオで「天皇陛下が吐血されました」というニュースを聞いた。
衝撃的且つこれまで体験したことのないような感覚に世の中全体ざわついた。
10月に初めて大規模な全国ツアーをやり、11月に『NAKED HEART』が発売され、
年が明けた1月7日に昭和天皇は崩御され、時代は「平成」に変わった。
そこから30年を数える今年。平成30年。当時生まれた人が今年30歳の年。
その「平成」も来年で終わるという。時は尋常でないスピードで流れている。
その中を、時代に消費されず今も自分の選んだ立ち位置でどうにかこうにか
人生を送れているのは幸運と感謝以外の何物でもない。己の人生に主題を持ち、
自らの思想に基づく志に沿って生きる。その中で必然の縁も生まれて育つ。
いつでも今を楽しみながらベストを尽くす。簡単ではないがやり甲斐はある。
4月4日に発売されるデビュー30周年ベスト盤『魂のクロニクル』。
2枚組のうちDISC1の前半8曲が昭和の時代に書いた曲。デビュー当時の
主力ナンバー達だ。「BOYS BE A HERO」「約束できない」「ヒロシマ」等の
アマチュア時代からやり続けている6曲に、上京してから一番最初に書いた
「NAKED HEART」「少年の日」。昭和生まれのこれらの曲に対する思い入れは
殊のほか深い。その後の人生をビーツがビーツとして生きてゆく原点であり、
導きをくれた曲達。言わば「『魂のクロニクル』に刻んだ最初の一歩」だ。
どれも蒼く幼いがそれだけに青春期特有の眩い煌めきを放っていると思う。
あらためて良い音質でみんなに聴いてもらえることを嬉しく思っている。
さぁ!もう2月が目前。来週の土曜は「DEBUT 30 YEARS STARTING LIVE」
2月10日新宿LOFT。30年前の2月にやった東京初ワンマンのメニューを
再現するスペシャルなライブ「BEATNIK ROCKER CALL UP
AGAIN」だ。
次回のダイアリーではそのライブ当時のことを少し掘り下げて書いてみよう。
寒さ厳しい折り、みんなも風邪やインフルに気を付けて!
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