OKI'S DIARY 2005
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#134 2005年9月6日(火)

  今朝、雨に濡れたベランダの片隅に蝉の死骸がぽつんと転がっていた。のんびりしていて出遅れたのか、過ぎ去る夏を惜しむように昨日までマンションの裏庭で一生懸命に鳴いていたやつらのうちの一匹に違いない。お疲れさん。おまえは最期まで己の生を全うして死んでいったんだろ。偉いよ。ご苦労だったな。
  今年も、短い夏が終わった。夏はいつでも一瞬だ。一瞬輝いては散ってゆく花火の、瞼の裏に残るモノクロームの残像と、鼻腔の奥にせつなく残る火薬の匂いそのものだ。終わりの予感を知ればこそ、誰もが夏を生き急ぐのだろう。


  この夏の終わり、ある場所で、とてつもなく美しい夕焼けを見た。近づく秋の気配を知らせるうろこ雲が広がる茜の空を、真っ赤に染めながら緩やかに沈んでゆく夕陽。そこにあるのは、終わりのような始まりのような、永遠のような刹那のような、まったく説明のつかない美しさだ。雄々しく儚く、穏やかに沁みわたり、そしてどこか漠たる寂寥感も伴う。甘美さとほろ苦さが同居する。永遠と一瞬が実は同じものであることを今さらながらに思い知らされる。
  忘れがたい風景、忘れがたい時・・・。夏の記憶はときにさざ波立ち疼く痛みにも似て、胸の奥の深いところにいつまでも留まるものだ。


  一昨日の大雨で、微かな夏の残り香もすっかり洗い流されてしまったようだ。台風の影響による厚い雲と強い風と雨が、あの熱く火傷しそうだったアスファルトの路面を急激に冷ましてゆく。季節は秋に移ってゆく。




追伸:「BEATSMANIA」東京・広島・大阪3本いずれも盛況でありがたい限りだった。今年のマニア3ヶ所で披露したレパートリーは全37曲(延べ演奏曲数は59曲)。何年もプレイしてなかった曲や、予想もしてなかった曲など、色々それぞれに楽しんでもらえたようで何よりです。俺達自身も最高に楽しませてもらった。感謝。さらに九州の直方と茨城のつくばでのイベント2本もいずれも地元スタッフやバンド連中の熱さにも迎えられ、お客さん共々最高に楽しませてもらえた。マニア、イベントとも、集ってくれた人達、関わってくれたすべての人達に感謝です。次は秋。10月から始まる「BRIGHTEST FIST TOUR」で、またどこかの街で会いましょう。



     

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