OKI'S DIARY 2005
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#133 2005年8月5日(金)  BEATSMANIA、8月の広島

8月に入り「BEATSMANIA」用のリハーサルも次第に熱を帯びてきた。ぼちぼちエンジンも温まってきた感じだ。1996年の8月に初めてやって以来、毎年夏の恒例としていつしか定着した「BEATSMANIA」も今年で早や10年目になる。早いものだ、10年なんて本当にあっという間だ。一言で言えば「BEATSMANIA」というのは主にその年のツアーでまったくプレイしなかった曲やその時期数年しばらくプレイしてない曲などを中心にピックアップしてまとめて披露してしまおうというライブだ。バリバリの主力クラスの曲達にはこの日はちょっと休んでもらって、日頃なかなかスポットの当たりにくい曲達を中心にオーダーを組む感じのライブ。去年の「20TH ANNIVERSARY TOUR」からのここ一年程だけでも実は延べ150曲くらいをプレイしているので実際の所はそんなに何年もやってない曲がたくさんあるわけでもないのだが、それでもまだリストに入ることのなかった曲もいくつかあったり、やっても数回くらいしかやってないような曲もあったりするので、なにはともあれ楽しみにしておいてもらえればと思う。


■以前にも語ったことがあるかもしれないが、自分にとって8月はある種の感慨を抱かせる特別な季節だ。呼び起こされる遥か遠い少年の日の記憶は、いつも決まって淡いセピア色に彩られた8月の広島の原風景とともにある。燃えるように熱い真昼のアスファルトに撒かれた打ち水に立ち昇り揺れる陽炎、鳴り止まない蝉の声、夕暮れ時の広島市内特有の“瀬戸の夕凪”で風は止まり、いつまでも沈みきらない強烈な西日が射す独特の色彩・・・。祈りに包まれるその日の町の静謐な空気・・・、川面をゆっくりと流れ行く幾千の灯篭・・・。市内を流れる元安川と本川の、もうほとんど広島湾に近い河口部に挟まれた吉島という町で過ごした少年時代の夏の記憶。セピアがかりながらも鮮やかに残って消えることのない、自分の一番胸の奥深くに息づく原風景といえるものだ。「MY HOME TOWN」や「LIFE GOES ON」「世界一悲しい街」などは言うまでもなく、「風が舞う日に」や「明日なき迷子達」などどこかノスタルジーを帯びた曲達にもこういった原風景の断面がしばしば顔をのぞかせる。人類全体が忘れてはならない記憶として語られるところの“8月のヒロシマ”という側面も含めて、いや正確にはそれは自分達の世代の広島人にとっては側面などではなくごく日常的に身近にあった背景というかリアルな風景の一部でもあるのだが、いずれにせよそれらすべてを含めて自分にとって“8月の広島は特別な季節”なのだ。“明日が来るのが当たり前だと笑い飛ばせやしないさ”とごく普通にそう感じる感性はそんな町で生まれ育った中で自然に醸成されたものなのだろう。今年もまた8月の広島で歌を歌えることのありがたさを感謝したい。


■戦後60年という節目の年。この夏、多くのマスコミにその類の活字が躍る。時は矢のように過ぎる。戦後20年経って生まれた自分達の世代が早や四十代の入り口だ。この世代に特に衝撃的な記憶として残る1985年8月の日航ジャンボ機墜落事故からでさえ早や20年が過ぎる。本当に時は矢のように過ぎていく。時の彼方に去った全ての父や母、祖父や祖母、息子や娘たち・・・全ての先人達に静かな祈りを捧げる季節。そしてまた俺達は思いを新たにし、時計の針に背中を押されながらひたすらに今を生き明日へ向かう。生きているかぎり立ち止まれはしないのだから。


■追伸:「BEATSMANIA」に続いて、秋からのツアーのスケジュールが決定した。 “BRIGHTEST FIST”!!声を枯らすほど叫び、汗にまみれ、思いのたけを込めて突き上げられる熱い拳は何よりも最高に輝かしい。胸に響き、熱を帯び、バンドが放つ音とぶつかり合い、ライブをどんどんヒートアップさせてゆく。2005年後半戦もビーツは揺るぎなく自分らの音を思い切り鳴らし、転がり続けていくだけだ。まずは2週間後に迫ってきた夏のマニア!最高に熱いライブにしよう!



     

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