OKI'S DIARY 2003
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#73   2003年4月9日  

あの日晴れ渡る空の下で開戦の知らせを聞いてから3週間が過ぎた。
バグダッドの空は赤く染まり市民や子供や若い兵士がたくさん死んだ。
暗澹たる気分。砂を咬むような苦々しい気分が続く。

昨日ブッシュとブレアが星条旗とユニオンジャックを並べて掲げてひな壇に立った。
アメリカが戦後のイラクを実質的に占領下に置いて暫定統治する事を宣言した。
これでアメリカは豊かな石油資源と、戦後復興という名の巨大な公共事業に
関する莫大な利権を予定通りまんまと手に入れる事になる。
復興支援は日本を含む各国に要請されるが、発注を受けてそれで儲かるのは
もちろんアメリカの企業だ。自分で破壊しておいて人の金で復興して儲けまで出る。
戦争は金のなる木だ。国連決議などアメリカの前ではなんの意味も成さない。
大量破壊兵器の発見という大儀もいつの間にかどこかへ消えてしまった。
ティーンエイジャーの女性兵士をヒロインに仕立て救出劇を美談に仕立て上げよう
と躍起になってみたところで、戦争にロマンやセンチメンタリズムなどありはしない。
あるのは大量殺人と破壊行為の繰り返しだけだ。それが戦争だ。

一方同じ日、米英軍の武力行使に反対していたフランス、ドイツ、ロシアが外相
会談を持った。アメリカの独走を警戒するのは当然だ。きな臭い嫌な空気が漂う。
また一方で、容赦ない空爆と破壊でばら撒かれた悲しみと憎しみの火種はいずれ
また新しい争いの炎を生む事になる。それが止むことのないテロリズムを生み出す。
アメリカは次はシリアに侵攻するかもしれない。朝鮮半島から日本にミサイルが飛ん
でくる可能性も少しも消えてはいない。日本政府にできる事?そんなものは、ない。
日本はアメリカの極東基地でしかない。アメリカ型の民主主義を否定するつもりは
もちろんないし、アメリカの文化もロックンロールもベースボールももちろん大好きだ。
だけど国家としてのアメリカは軍事力と経済力で世界を牛耳る支配者であって、
少しでも逆らえばたちまちこっぴどくやられてしまう。だから誰も文句など言えはしない。

俺はこの世には絶対的な正義もなければ絶対的な悪もない、と昔から思っている。
ただひとつ絶対的な悪がこの世にあるとすれば、それは誰かの未来や命、人生の
可能性を他の誰かが一方的に奪おうとする行為だ、とも昔から思っている。
だから俺は殺人や地球上のあらゆる戦争や紛争に反対だ。
今さらあらためて言うまでもない。
子供の頃からこの歳になるまでその思いが揺らいだ事は一度もない。

誰がどんな大儀名分を掲げても戦争は非合法な大量殺人でしかなく、殺し合いで
しかなく、大規模な破壊行為でしかない。そんなことは世界中の誰もが知っている。
だからもちろん世界中の誰もが戦争もテロリズムも望んでなどいない。
それでも人間は争う事を繰り返し、止める事ができない。
世界中の誰もが21世紀という新しい時代にそれを期待したにもかかわらず、だ。
よくよく人間は憎しみ争うことしかできない生き物なんだ。
人間はその繰り返しで繁栄してきたのだし、きっとその繰り返しで滅びていくのだろう。
救いは、多分ない。悔しいけれど。
だけど、それでも人間は明日を信じ明るい未来を信じ、そこに希望の光を見出さな
ければ生きては行けない生き物だ。だから少なくとも俺はそのように生きていく。
もちろんいつだって明日が当たり前に来るなんて呑気な考えは持ち合わせた事がない。
その思いも昔から変わらない。だからこそ常に今日を、常に今を懸命に生きるしかない。
明日何が起きるかなんて誰にも分からないし、逆に意外とこんな奴に限ってみっともなく
生き延びてしまうものなのかもしれないが、いずれにせよ俺はそのように生きていく。

昨日新しい歌ができた。今度の神戸のライブで歌ってみるかもしれない。歌ってみたい、
と思っている。

     

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